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セキュリティ・ミニキャンプ in 北海道 2023 講師記

この記事は UEC アドベントカレンダー 24日目の記事です。 ブログシステムを組んでいたら遅刻しました…。

こんにちは、アドベントカレンダー遅刻芸人の、電気通信大学 情報理工学域Ⅱ類 セキュリティ情報学プログラム 2年生の Yちゃんです。 11月11日に、セキュリティ・ミニキャンプ in 北海道 2023で講師をしたので、せっかくなのでその記録を残したいなと思います。

最初の方は異常長文が続きます、セキュリティ・キャンプに興味ない人は読まなくていいです。

セキュリティ・ミニキャンプとは

そもそもセキュリティ・キャンプとは、高度なIT人材を発掘・育成する場の一つと位置づけられたものだそうです。 その中で、セキュリティ・キャンプ全国大会は、以下のような目的で行われているイベントです。 一般社団法人セキュリティ・キャンプ協議会とIPAが主催、経済産業省が共催で行われています。

毎年テーマ別に集められるエキスパートが講師となり、専門的・実践的な講義が受講できるほか、合宿の中で同じ趣味を持った仲間との出会いもあります。

高度なIT人材を発掘・育成する場の一つと位置づけ、情報セキュリティを中心としたITについての意識が高く、将来的に優秀なIT人材となりうる若年層の参加者に対し、将来的に日本のIT社会に関する安心・安全に資する人材となってもらうために、情報セキュリティを中心としたIT社会実現のための技術的な目標と高い技術修得への励み、及び安全かつ信頼性の高いIT社会の進展に資する正しい知識を与えることを目的とします。

引用元: https://www.security-camp.or.jp/camp/

まあ、簡単にまとめると、セキュリティ人材を筆頭とする、高度なIT人材を発掘・育成することを目的とした、国家プロジェクト的なイベントです。

次に、セキュリティ・ミニキャンプとは、セキュリティ・キャンプよりも多くの人に、そして気軽に参加してもらい、全国大会の参加へとつなげる架け橋としてのイベントです。

全国大会により多くの学生にチャレンジいただくため、若年層を対象とし情報セキュリティ人材育成に関心の高い地域で地方大会を開催しています。 次回全国大会参加を目指している学生さんはぜひ応募して下さい。

引用元: https://www.security-camp.or.jp/minicamp/

ミニキャンプは様々な地域で行われています。 私が前回行った山梨、今回行った北海道、その他には新潟、三重、徳島、沖縄などなど…。

セキュリティ・キャンプ全国大会は、4泊5日の合宿形式のイベントで、東京で行われますが、ミニキャンプは1日か2日で行われ、一般の方向けの一般講義と学生向けの専門講義があります。 様々な地域で行われますが、その講義の内訳は地域によって異なります。 実際に参加して拘束される時間など、様々な面で参加の敷居は全国大会よりかは低いものの、全国大会の専門講義レベルの高度な講義が行われます。 本当に全国大会へのステップアップとなるような形ですね。

セキュリティ・ミニキャンプ in 北海道 2023について

今回のセキュリティ・ミニキャンプは、北海道の札幌・石狩で行われ、学生向けの専門講義のみが行われました。 1日目はDEOS株式会社 北海道ソフトウェア技術開発機構にて行われ、2日目がさくらインターネット 石狩データセンターにて行われました。 そして、今回のキャンプにおいて特徴的なのが、「2日間とも専門講義」で「宿泊がある」ことです。 ミニキャンプの開催履歴を見ても、北海道だけ、どうやら伝統的に講師・チューター・受講生・その他スタッフなど、みんなでホテルに宿泊して次の日の講義を迎えるみたいです。 北海道がそもそも広いということもあるのだと思いますが、全国大会に近い形なのが非常に良いなと思いました。

今回のミニキャンプでは、1日目にもう一人の方と私で講義を実施したあと、受講生・チューターを交えて夕食を食べ、ホテルにバスで向かい、疲れを癒やして2日目という感じでした。 2日目は、ホテルのビュッフェで朝食を食べた後、さくらインターネットの石狩データセンターを見学し、さくらインターネットの方による講義が行われ、ミニキャンプが終了しました。

講師になる方法

まず、 セキュリティ・キャンプ全国大会の修了生 になります (???????)。 頑張りましょう。 私は、高校1年生のときに、たまたま運良くセキュリティ・キャンプ全国大会 2019の選考を通過し、受講・修了する事ができました。 いまから4年前のことです。非常に懐かしいですね。 ちなみにその時のめっちゃ恥ずかしい応募書類はここから見ることができます(多分後々このブログに移転します)。 ちなみに、修了直後は嬉しさ2割、苦しさ・悔しさ8割でした。

その後も、セキュリティ・キャンプに関わり続けてみます。 2020年のセキュリティ・キャンプ全国大会オンラインでチューターをし、セキュリティ・キャンプフォーラム2021で発表を行ったり、久々にいろんな方とお話したりしました。 その後は受験のためいろいろ断念しながらも、2022年に講師をしてみない?という声がかかりました。 というのも、私が高校生の当時、Bitcoinやブロックチェーンについて興味があり、そんな講義がほしい!と声を上げていたためです。(その他にも色々理由はあるのですが) まあ言い出しっぺの法則というやつですね(?)、なければ作ってしまえと。

そんなわけで「Pythonで簡単なブロックチェーンを作ってみよう!」という講義が生まれたのです。 これが山梨で行った、初めてセキュリティ・ミニキャンプの講師をした講義でした。

というわけで、セキュリティ・キャンプを修了し、講師や協議会の方々と交流した上で声を上げれば講師になることができると思います。 自分の「好きな技術を布教したい気持ち」もお忘れなく。

ミニキャンプ北海道での講師としての気持ち

山梨で行った講義は講師やスタッフだけが現地で、受講生はリモートという悲しい形だったということもあり、色々できなかったこと、やり残したこと、反省点などがありました。 今回はそれらの点を克服したいということで、講義の内容・範囲を考え直し、資料をよりわかりやすくしたり、自分が教えやすいもの、よりサポートがしやすいものに絞ろうと頭を捻っていました。 結果的に、今回の講義も準備不足な点やトラブルがちょこちょこあったのですが、70点ぐらいの講義ができたんじゃないかなと思っています。 そもそも大学に行きながらインターンにも行き、夏には免許を取って研究発表もし、講義を作るなんて、やりたいことはやってるけど無茶です。アホ。

以前の講義では、「ブロックチェーン」そのものというかなり大きな範囲を1回の講義で扱う(事前学習教材があったとはいえ)形で、受講生にかなり無茶させてしまった気がするので、今回はそのなかでも「検証」という範囲に絞りました。 正確なことを言うと、山梨キャンプでつくった「簡単なブロックチェーン」は、検証の部分を省いて、とりあえず動くものを作ることに注力しました。 それでもかなり大きな範囲だったので、以前に扱わなかった検証をざっくりと触れてみるということをしようとしました。 今回の講義題材の利点は、「ブロックチェーン」以外でも「検証」という行為は行われているので、今後セキュリティに関わる何かを作る際の知識とすることができる点です。

と思っていたのですが、よくよく考えればマイコンのように制約の多いブロックチェーンにおいて、バイナリをいい感じに扱う検証機構はあんまり参考にならないかもですね…

まあそれはそれとして、実は私自身もBitcoinの実際の取引の検証機構については、ふわっとした知識だった部分があるので、それをしっかり固めて受講生に教えたいという気持ちがありました。 今でこそ、調べたり実装したりしたのでそれなりの知識がありますが、講義をする前・講義資料を作成する前にはあやふやだった部分はそこそこあります。

講師として心がけていること

セキュリティ・ミニキャンプでの講師は2回だけですが、ここにおいては「受講生に技術が面白いと思ってもらえるか」と「自分が楽しめるか」に重点を置いて講義を作っています。 どうしても私はまだまだ学生、何なら現時点で20歳ですらありません。 完璧な知識があるわけではなし、自分の教え方がすごくうまいわけでもないので、「受講生にすべてを理解してもらえるか」というのは難しいと思っています。 もちろん、そこを諦めきるのは違って、これを完全に諦めると「技術が面白いと思ってもらえるか」も同時に遠のきます。 なので、もちろんできる限りの努力はしています。
もうひとつ、「自分が楽しめるか」については、私自身が技術を面白そうに伝えられないのに、受講生に伝わるわけがない、という部分があります。 まあ、心の底から技術が面白いと思っているからこそ講師になって講義をしているわけなので、「自分が楽しめるか」についてはほぼ確実に達成できていて、あまり気にする必要は無いですね…w

私自身は、セキュリティ・キャンプに講師として参画している人の中でも、かなり若い方で、受講生と歳が近い・何なら受講生のほうが年上なこともあります。 受講生と歳が近いからこそ、人として話しかけやすい部類だとも思うので、「面白い人」と思ってもらえることや「話してみたい人」と思ってもらえることにつながればいいなと思っています。

ミニキャンプ北海道記

ウオ!!!!ここで堅苦しい話は終わりにしてここでラフな旅行記を展開していきます。

NOTE: 筆者には日常ポストをする大学Xアカウントと開発者向けポストをするメインXアカウントがあります。

0日目

色々なタスクやら大学の課題に追われていたため、なんと!!!講義資料が講義前日に完成していません!!!死!!! 徹夜で作ることを意気込んでいたら、普通に眠すぎて撃沈していました…おしまいだよコイツ。

ちなみに前日の朝に新しい名刺が爆誕しました。ギリギリすぎる。

セキュリティ・キャンプ全国大会 2023でチューターをしていたのですが、そのときに名刺を2枚用意して2枚とも配るという苦しいことをして流石に反省したので、 今回は両面刷り1枚を渡せばいいようにしました。

かわいい立ち絵は のほしおさんという方です。

さて、講師は前泊する日程が組まれていたため、講義資料を作りながら同時に出発の準備もしていたのですが、ここで飛行機の時間を1時間勘違いしていることに気づきます。 予約したのが、思っていたのより1時間早い便だったのです。 死ぬかと思いました。

電車の中で最短ルートを調べ、間に合わなかった場合どうすればいいかを一生懸命調べていました。 そんなとき「この状況で入れる保険があるんですか!?」なことが起きました。

私も遅れたけど飛行機も遅れていたため、乗ることに成功しました。マジで死ぬかと思った…。

というわけで北海道着。

まあそこからは関係者で一旦北海道のグルメを楽しみました。

モツ鍋 モツ鍋

北海道には「締めパフェ」という文化があるということを知りました。面白いですね。

1日目

グルメを堪能したあとはやり残した資料作りです。 協議会のステアリングコミッティの人にも応援されながら資料を作りました。 受講生とチューターにも応援(いいね)されていました、恥ずかしい…。

ところでCopilotってかなり優秀ですよね、講義用のコードをCopilotに一部書いてもらってかなり助かりました。

11/11だからポッキー食べてました。

さて、迎えた当日朝。

この時点で講義資料はまだ完成しておらず、受講生の後ろで講義資料を作る最悪の講師になっていました。 こんな人にはならないようにしましょう。

ちなみに、1日目のもう一人の講師の竹田さんは、全国大会2019とSecHack 365 ‘20の同期で、セキュリティ・ネクストキャンプでも講師をしている方です。 この人は話が上手だし面白いし、起業をされていたり博士課程に進んでいたりと、個人的にかなり尊敬しています。 セキュリティ周りの繋がりができ始めたときからずっと繋がりがあることになるので、結構長いですね…。 もう一つちなむと、北海道の講師2人はほぼ同時に決まっていました。 セキュリティ・キャンプフォーラム 2023後、懇親会があったのですが、そこで私と竹田さんが喋っていたところに協議会の方が来られて、ミニキャンプでまた講師しませんか?とお誘いいただいたのです。

さて、当日の私はというと慌てすぎて写真とか記録が全然残っていません…シクシク…。

まあでもなんとか講義をやり切ることができました。 講義資料の最後までたどり着けている受講生も何人かいて、なんとかやりきった感じでした。 でもやっぱり、難しいと感じている人も多かったようで、人に教えるのって難しい…という気持ちになりました。マジで難しい。

さて、講義が終わると移動して晩ご飯です。

1日目の夜ご飯 1日目の夜ご飯

おいしかったです。 受講生が北海道あんまり関係ないですねって言ってたのが個人的にツボでした。

講師・受講生・チューターが一緒にご飯を食べる時間があるのは非常にいいことだなーと思いました。 講師やチューターの方々は(自分で言うのもなんですが)受講生に比べて様々な経験をしている人が多い印象です。 もちろん、受講生も面白い経験を重ねている人はいるのですが…。 その方々に直接話ができる時間があるというのは非常に良いことと思います。 私が受講生なら色んな話を仕掛けていた(?)と思います。

さて、お話しながら晩ご飯を食べ終わると、移動してホテルです。 なんと!!!温泉があるらしい!!!温泉チャンス!!! 普段私は寮生活で、シャワー室しかなく、湯船がないので、温泉があると急にテンションが上ります。

速攻で温泉に入りに行ったところ、協議会の方やチューターの人とお風呂で合って、長話をしていたらゆで卵になりました。

流石に疲れたので、一日を振り返って(?)さっさと寝ました。

2日目

朝の起床にちょっと失敗しながら、なんとか起床。 急いで朝食を済ませ、支度をして2日目の行程に入ります。

先にも少し書きましたが、2日目はさくらインターネットの石狩データセンターにて行われました。 人生で二度とあるかわからない、データセンター見学チャンス!!! めちゃめちゃ面白かったです。 講師なのにかなり楽しませてもらいました。

午前中は見学、データセンターをほとんど全部見せていただきました。 石狩データセンターの利点として、気温が低く、データーセンターの冷却設備費用が大幅に下がることが挙げられるようです。 その他にも、土地が広い、海底ケーブルの引き上げ局が近いなど、様々な利点から、石狩にデータセンターを設けているようです。 詳しくはさくらインターネットのサイトへ…。 まあ冷却設備費用が安くなることが明らかなくらい寒かったですね。 雪がちらついていたこともありましたが、データセンターの方曰く、この程度は積もらないし問題にならないとのこと…。 雪を見るだけでも大はしゃぎな都会人(?)には驚きの話です。

もうちょっと真面目な感想を書くと、冷却・排熱システムから、給電・発電システム、ネットワーク設備、肝心のサーバー設備まで、しっかりとした設計になっているんだということを実感しました。 冷却システムに関しては作られた時々によって違うなど、天然の冷房をいかにうまく使うかを探っている感じが非常に面白かったです。 また、セキュリティシステムに関しても説明があり、厳重なセキュリティの元でデータセンターが運用されていることを実感しました。

セキュリティ上の関係であんまり石狩データセンターの写真を残せなかったので、文字だけで許してください…。

ちなみに、石狩データセンターにはかなり広い多目的ルームがあり、午後の講義はそこで行われました。

午後の講義が終わると、解散する最寄り駅までバスで移動です。 受講生に挟まれて座っていたので、せっかくなので受講生の1人とお話していました。 セキュリティ・キャンプ全国大会に参加したきっかけとか、セキュリティ以外もやってるだとか(というか今はセキュリティ以外が9割ぐらい…)、講師になった理由などを話していました。 思えば私ばっかり話していたのですが、これで良かったのかな…w

そんなこんなで、セキュリティ・ミニキャンプは終了しました。

その後は、チューターの1人が電通大の大学院生の知り合い(!)ということで、一緒の飛行機で帰ることにしていたので、 その方と一緒に札幌市内でご飯を食べ、お土産を買い、空港で夜景を眺めて飛行機で帰りました。

札幌市内で夜ご飯として食べたラーメン 札幌市内で夜ご飯として食べたラーメン

飛行機が遅延していたために代替機での運行なのに、その代替機が「JAL DREAM EXPRESS Disney100」という豪華な感じだったのですが、 準備が遅れていて搭乗・出発が15分遅れ、更に出発したかと思えば計器の異常(だった気がする)で15分遅れの計30分遅れという感じでした…。 別に帰りで急いでないので良かったんですが、終電が無くならないかちょっとヒヤッとしました。 他にも面白い点があって、「航空旅客動態調査票」というものが席に置かれていて、せっかくなので回答しました。 あと空の天候が悪かったようで、すごい揺れがありました、かなりびっくりしました…。

そんなわけで、あとは帰宅して私のセキュリティ・ミニキャンプ in 北海道 2023はおしまいです。

おわりに

私自身は、講師としてはまだまだ未熟で、成長の余地があると思っています。 でも、私はセキュリティ・キャンプのお陰で人生が変わった(今の大学・学部を選んだのは完全にセキュリティ・キャンプの影響です)ので、そんな人を増やせたら良いなと思い、チューターや講師をしています。 いつかはセキュリティ・キャンプ全国大会の講師を務められると嬉しいなと思っています。

それはそれとして、セキュリティ・キャンプは学び・ある種の実践の場ではありますが、色々な人と交流ができる場でもあります。 そこで知り合った人同士でIPAの「未踏」に挑戦する人とかもいますし、私のようにそのまま別イベントで再開してイベントを開催する側になる、なんて人もいます。

少しでもセキュリティに興味があれば、応募してみてはいかがでしょうか? セキュリティに興味がなくとも、OSや言語処理系の講義・コース、ネットワークの講義・コース、ハードウェア系の講義・コースもあります。 気になるものがあればぜひ参加して、様々な人に驚き、そして仲良くなってもらえればなと思います。

私は私で、来年以降も何らかの形でセキュリティ・キャンプに携われると良いなと思っています。